漫画の活躍

今日はこういう本を手に入れた。

大野きよしが昭和8年に西区立売堀の元文社から出版した「漫画の活躍」である。絵柄は田河水泡調で、大野が戦後の一時期、松屋町のメンコ屋で「のらくろ」の絵を描いていたのもなるほどと頷ける。前にそごう心斎橋店の古書市で見かけたときは、箱入りだったと記憶するのだが、今回手に入れたものは箱なしである。東京の中村書店の単行本を彷彿とさせる四六判丸背ハードカバー。大阪にもこういうマンガ単行本を出す版元があったのだ。定価75銭。表紙裏に名前が書いてあって、さらに戦後のものと思われる貸本屋のはんこもあるので、古書が貸本に回ったのかもしれない。1万円はちょっと躊躇する金額だったが、古書は一期一会だからねえ。これも「酒井七馬回顧展」で展示する予定。