初芝居は新春浅草歌舞伎

taihouji212010-01-06

朝から「忍者武芸帳」解説の校正疑問を解決して、「旬の本棚」の最終リストをつくる。
昼は「キッチンISHIGAKI」でパスタのランチ。
午後は「ブラック・ジャック ザ・ラブストーリー」の解説を4枚。
3時前に仕事場を出て浅草。浅草公会堂で上演中の「新春浅草歌舞伎」夜の部。「新春浅草歌舞伎」もあたしがこっちに来たばかりの頃はまだ若手だった「三之助時代」。今は中村屋の兄弟が中心である。10年一昔。
愛之助の年始ご挨拶に続いて、「奥州安達原」から「袖萩祭文」。これは人間関係がややこしい。平直方の娘・袖萩は八幡太郎を敵と狙う安倍貞任と駆け落ち。何年か後、その貞任と弟の宗任が時の天皇の弟・環宮をさらってしまう。直方は環宮誘拐事件の責任をとって切腹を命じられるが、なんとか宗任を捕らえることに成功。屋敷の裏で宗仁の詮議をしているところに、袖萩が父の急を聴いて駆けつける。袖萩は貞任との間に二人の子をもうけるが、貞任や息子とは離ればなれに。視力を失っていまは、幼い娘とごぜとして祭文の軒づけをしながら放浪していたのだ。親として会ってやりたいが、武士として直方は娘を許すわけにはいかない。しかも、娘の相手が仇敵・貞任と知って切腹を決意する。とまあ、前半はぐだぐだだが、後半になって義家、貞任の対決シーンになると俄然おもしろくなる。
袖萩と安倍貞任勘太郎。袖萩の父・平直方男女蔵。貞任の弟・宗任に愛之助。ラブリンの赤塗りは珍しいけど、決まっている。八幡太郎義家に七之助。それにしても勘太郎勘三郎にそっくり、というか勘三郎を縦に伸ばしたようになってきた。

続いて、亀治郎を中心に猿翁十種から舞踊劇の「悪太郎」。これはなかなか上演機会のない作品で、あたしも初見。師匠の猿之助さんが指導に当たっている。酒癖の悪い悪太郎酔拳のような踊りが見もの。人間国宝の渋い芝居も良いが、若手のはつらつとした舞台もいいもので。いかにも初春という感じがする。
はねてから浅草寺に参ってきた。