闇に咲く花

晴れ。散歩後、「まんがのソムリエ」の原稿。「まんがのソムリエ」120回の軌跡を宮坂君がまとめてくれたのを見たら、ほんとバラバラ。なんでもありというのは、雑読派だからなんだけど・・・
昼は「ハンバーグ智」。いつの間にかあちこちに支店を出しているじゃないか。このあたりでは出世頭かも。
16時に書き上げた原稿を送り、秋田書店関係でお願いメールをあちこちに送る。
現代マンガ図書館から、個人図書館から法人組織になったという挨拶状。内記さんのことが少し気になる。
17時過ぎに新宿にむかう。
西武新宿駅に立ち寄って、あさっての指定券を受け取り、紀伊国屋サザンシアターまで。
こまつ座「闇に咲く花」を観る。
学生時代、和歌山で文士講演会なるものを一度だけ見たことがあった。出演は立原正秋井上ひさし。文士講演にも上手い下手があることをそのとき知った。うまいのが井上ひさし、というのは言うまでもない。言いたいことをわかりやすく、相手の心に届くように語るのは腕が要る。
このお芝居はまさにその腕の見事さで成り立っている。舞台は昭和22年の東京・神田。本殿も社務所も戦災で焼かれた愛嬌稲荷神社では、神主と氏子の5人の戦争未亡人が張子面をつくりながら、闇米で稼ぎかろうじて食いつないでいる。そこに戦死したはずの息子が戻ってくる。息子によって、みんながあえて記憶から消してしまっていた戦争中のことが明らかになっていく。戦争は恐ろしい。しかし、もっと恐ろしいのはそのことを忘れてしまうこと。なぜなら、忘れてしまった人はまた、同じ間違いを繰り返すから。8月15日、神社本庁の通達で「平和の太鼓」が打ち鳴らされる音に、人々がおびえる姿で舞台は終わる。「平和の太鼓」は、まるで戦争中の民衆を鼓舞したさまざまなものと同じ響きをもっているから・・・・・
井上ひさしさんが、生きて3.11とその後の日本を見ていたら、どんなお芝居を書いただろうか?

本日の一冊↓

コミックいわて2

コミックいわて2

京都精華大学に送られたものが転送されてきた。