ミュージカル「火の鳥 鳳凰編」

久々に快晴の空の下で散歩。

近頃は、地下鉄が荒川の鉄橋を渡るときに、工事中の東京ビッグツリーが見えるのが楽しみ。おそらく、東京タワーができつつあるときもこんな風だったのだろう。

その行きの列車で読み終わった本。パリのオートクチュール界の20世紀をたどりながら、時代とファッションの関係を描いた本で、構成手法がずいぶん参考になった。

ファッションの二十世紀 (集英社新書 466B)

ファッションの二十世紀 (集英社新書 466B)

新書の原稿を黙々と書く。

昼は「カレーの店 ジンコック」。ようやく味ができてきたようで、今日試したきのこと豚肉のカレーもなかなかパンチがある。お客もそこそこ入っていた。

午後も原稿。第四章はなんとか24枚に到達。四章はあと6枚。ここから当時の東京や世相、観光業界のことを書き込んでいく。ワープロを使い始めたのが人よりも早かったおかげで、こういう書き方をライターとしてのスタート時期から身につけている。つまり本編の骨子を書いてしまってから、取材や資料の中から必要なものを選び出して肉付けしていく方法だ。30枚を越えるような原稿の場合は無駄がないし、文章がすっきりまとまるので、『球団消滅』や『酒井七馬伝』でも使っている。その上でもう一度見直しながら無駄を削るのである。邪道かもしれないが、筆力のないあたしのような書き手には有効だと思う。

新宿文化センターまでわらび座のミュージカル「火の鳥 鳳凰編」を観にいく。
手塚プロさんのご招待だが、はじめはあまり期待していなかったのである。家のものがパク・トンハのファンということもあって行ったのだが、非常にすばらしい舞台なのでびっくりした。原作は、『火の鳥』の中でも最高傑作であり手塚マンガの中でもベスト10に入る名作。演出は栗山民也、舞台美術には妹尾河童。なによりも我王役のパク・トンハの存在感がすごい。別に大きな鼻をつけるわけじゃないのに、これこそ我王だと思えてくる。茜丸の戎本みろの飄々とした味わいと権力を得てからの変貌振りもいい。女優陣もうまいし、全体的なレベルがとても高いと思った。手塚マンガの舞台化は難しい。どうしても原作のイメージにひっぱられてしまいがちなのだが、構成も見事だったと思う。