白石加代子・百物語「銀河鉄道の夜」

taihouji212010-03-16

耳鼻科で薬をもらってから仕事。
借りた資料のPDF化など。

昼は「ハンバーグ智」。

午後は、新書の原稿。なんとか6章30枚を送る。

5時半に仕事場を出て、有楽町朝日ホール白石加代子・百物語第90夜「銀河鉄道の夜」。90夜にふさわしい大ネタである。一般にはファンタジックな童話と思われているようだが、関東大震災へのショックの中から、自己犠牲とは何か、慈悲とは何か、といった宮沢賢治の根源的なテーマが色濃く出された作品なのだ。鴨下先生の演出は、童話の部分を美しく見せながら、賢治の本質をはっきり印象づけるように工夫されていて、ジョバンニが銀河鉄道に乗るまで、と星を巡る旅の間に休憩を挟むなど、心憎いまでの構成になっていた。白石さんも、数多くの登場人物を見事に演じ分けて、目の前のジョバンニやカンパネルラたちがいるように思えてくるのだった。そして、何年前かの夏に、宮沢賢治の足跡を辿るために、花巻まで取材に出かけたときの北上川の風景などを思い出したのであった。写真はそのときに撮影した新花巻駅に入線するJR釜石線