組曲虐殺

いつもの年なら、年賀状づくりに追われているところだが、すでに喪中ハガキを出してしまっているので、のんびりしている。
残った仕事を片付けてから、天王洲アイルまで。
こまつ座ホリプロ提携のお芝居『組曲虐殺』を観る。井上ひさし最後の音楽劇。昭和8年2月20日特別高等警察によって虐殺された小林多喜二の半生を描いたもの。誰もが持っているパンを手にする権利を奪うものから、パンを人々に取り戻すために文学による戦いを続ける多喜二と彼をめぐる三人の女性。そして、執拗に彼を追う特高警察の二人の刑事。そして、舞台上に置かれたピアノと小曽根真。そこから生まれる、人間の暖かな絆とそれを奪い去る国家という存在の恐ろしさを描く物語。前にも書いたが、井上ひさしが生きて3月11日にはじまる悲劇を見ていたら、どんな新しいドラマを書いただろう、と思うと・・・・・。