京乱噂鉤爪

さすがに疲れているのだが、そうも言っておれない。「毎日が発見!」の原稿を書く。昨日の帰りの新幹線の中でけっこう進めたので、あと3枚……。フィニッシュがなかなか難しいのであった。

6時半に半蔵門へ。国立劇場高麗屋さんの「京乱噂鉤爪〜人間豹の最期」を見る。乱歩の原作を歌舞伎の舞台にした「江戸宵闇妖鉤爪」の続編だが、今回のストーリーは原作にはない。乱歩が書かなかった人間豹の最期を、高麗屋さん(原案は若高麗屋)がどう描くのか、が楽しみなのである。
でまあ、人間豹・恩田が幕末の京都に現れる。そのバックにいるのは謎の陰陽師・鏑木幻斎。冒頭のおかげ参りの集団を次々に恩田が襲うシーンからワイアを駆使したアクションで盛り上げ、ケレンがたっぷり。実は明智小五郎には人形師をめざした過去があったとか、いきなりな設定も多いのだけど、面白い。その師匠の人形師がつくった畢生の生き人形が出てきたり、人形師の娘の大女と恩田を染五郎が二役で演じて早代わりをしたり、とサービス満点。第1幕のクライマックスは若高麗屋宙乗り。これが歌舞伎だなあ、と思う。昨日の今日なので寝てしまうとまずいなあと心配したが、最後まで楽しめた。
隠密廻り同心・明智小五郎幸四郎陰陽師・鏑木に梅玉。ほか。