それぞれのコンサート・市村正親

朝、仕事場に出ると「旬の本棚」の校正紙がもう届いていた。広告が入るページの文字が多すぎたらしい。大急ぎで直してPDFを戻す。
新書の原稿を黙々と。なんとか10枚。あとは、「はとバスガイドの不足」を7枚ほどで書いて6章は完結の予定。
6時から、有楽町の東京国際フォーラムで「それぞれのコンサート・市村正親」。市村正親鹿賀丈史がそれぞれゲストを迎えてミュージカルナンバーをたっぷり聴かせる、というコンサート。そらまあ、全部聴きたいのではあるが、貧乏がそれを許してくれぬ。同じことは、来週の白石加代子「百物語」も同じくなのだ。通しで行きたいけど無理・・・。
序曲では市村さんがコンダクターぶりも披露。音楽監督・指揮の塩田さんとも絡みもあって、四季時代からの名曲をたっぷり。「コーラスライン」ではダンスも・・・・衰えてない! 鹿賀さんのナンバー「ミュージカル シラノ」を歌ったあとで、ゲストの鹿賀さんが登場して「レミゼ」のバルジャンとジャベールの「対決」をひとりで歌い、さらに市村さんがジャベールでからむ・・・・ぞくぞくするね。ふたりでは「ラカージュ」「ジーザス」から。ラストは「バイバイブラックバード」で幕。アンコールの拍手の中に、「オール・アイ・アスク・オブ・ラブ」のファントムのパート。幕が上がると、そこはオペラ座の地下から続く水路。「オペラ座の夜」のメドレー。震えた。もう二度と聴くことが出来ないと思っていた市村ファントムだ。四季の「ファントム」の初演は1988年4月28日。初代ファントムを演じたのが市村さんだった。市村さんのファントムはとても劇的で、クリスティーンもラウルもいないファントムのソロが続くだけなのに、歌を聴いているだけで舞台のシーンが浮かんできて涙が止まらない。舞台を観る機会が少ないこともあるのだけど、1年のうちで「このまま時間がとまってほしい」と思うことは数度だけ。この舞台はそのひとつになった、と思う。