航空少年/ローマの休日

taihouji212010-05-01

ヤフオクで買った「航空少年」が届いた。発行は誠文堂新光社。表紙は樺島勝一である。昭和19年7月号ということは、かなり戦局も厳しいはず。グラビアには北九州攻撃に失敗して撃墜させられたというB29の写真が生々しく掲載されている。読み物では北村小松の冒険小説「飛行機雲」がなかなか読ませる。挿絵は山川惣治である。読者が独自のアイディアで描いたという戦闘機の絵もとてもしっかりしている。読者からの評に「戦闘機のスピンナーの先にビート管兼体当たり用信管がありますが、あれはビート管だけでよいでせう。なぜなら日本の軍隊には部下に対して「死ね」と命令をする隊長はいないのです。(中略)これからはあんな不人情な設計はやめて、もっともっとすぐれた機をつくってください」とある。まだ、まともな考え方が、少年たちの間にはあったのだねえ。

朝、徳間の大野さんから「非実在青少年」関係のアンケートが届いたので大急ぎで答えて戻す。
水木MOOK用の新原稿。

昼は「なか卯」。GWで店も全国チェーンくらいしか開いていないのだ。神田はサラリーマンの街だからね。

原稿4枚は先ほどようやく完成。

GW明けのインタビューのスケジュールがまだ決まらない。ちょっとどころか相当ピンチである。

夕方、天王洲アイルの「銀河劇場」まで。3人芝居「ローマの休日」を観にいく。ウイリアム・ワイラーの名作をマキノノゾミが三人芝居に書き改めたもの。ヘップバーンが演じたアン王女に朝海ひかるグレゴリー・ペックアメリカ人記者ジョーに吉田栄作エディ・アルバートのカメラマン・アーヴィングに小倉久寛。アン王女がひとりでローマを歩き、立ち寄ったヘアサロンで髪を切るシーンなどをうまくセリフで処理してとてもいい感じに仕上げているのだけど、ジョーがマッカーシー赤狩りでハリウッドを追われた元シナリオライターという設定はいらないような気がする。このお話はオトギバナシでいいのだと思う。小倉さんのアーヴィングは、個人的にエディ・アルバートが好きなこともあって、ちょっと気に入らない。まあ、あれだけの映画を舞台にするのは大変だというのはわかっているし、例によって最後は涙がとまらなかったので概ねよしとする。