上田秋成展

taihouji212010-08-07

ホテルを出て京阪三条まで歩き、京阪特急で七条まで。三条通りをぶらぶら歩くのは、暑くさえなければ好きなのだ。それにしても京阪電車、いつの間にか塗装が変わっていたのだね。七条から5分ほど歩いて京都博物館。『幽』の2特でもお世話になった「上田秋成展」を見学。まず、坐像や肖像画上田秋成の人物像にスポットを当てた展示手法に感心した。作品をただ追うのではなく、時代や秋成の創作の裏側にまで迫ろうという趣旨がよくわかる。
ゆっくり京都見物をしてもいいのだけど、お昼ののぞみで帰還。300系はトンネルで揺れるのだね。久々にこの揺れを体験した。N700系も独特の揺れがあるのだけど、300系の揺れはちょっと怖い感じなのだ。
帰宅後、昼寝。夜は江戸川の花火大会をベランダから見物。その隙にヤフオクに出ていた酒井七馬の描いた戦前のすごろくを落とし損なってしまった。真剣さが足りないと反省。
今回の集中講義でつくづく感じたのは、元々自分から断った(断った特認教授というポジションは有期なのでちょっと不正確なのだけど)とは言いながら、これからも大学の先生になるという選択肢はないだろう、ということだ。集中講義などの形でゲストとして教えることはあっても、正規雇用の先生にはなれないだろう。なないのではなく、なない。そういうスキルやメソッドは持ち合わせていないし、あまりにも世界が違う。周囲の人たちが先生になったからおれも、なんて甘い世の中じゃないのさ。先生になった人たちは、もともとレベルが高かったのだ。いままでは、できるけどあえてやらないのだ、という思いもあったけど、撤回する。一方で、フリーのライターや編集者のおかれる現実はどんどん厳しくなっていくわけで、そこからどう生き残るのかをまじめに考えないといけない。55にもなってのんきなことだ。秋成のように己れの信念に基づいて清貧に生きることはできるのか?